倫理の欠如か、良識の無さか
=== 引用開始 ===(はじめに)
今回、FNS27時間テレビ「ハッピー筋斗雲」(フジテレビ 2007年7月28日放送)が放送倫理上の問題を指摘されるに至ったのは、この一般視聴者にドッキリカメラを仕掛けるに当たっての倫理に欠けるところがあったためである。また、こうした倫理の欠如は単に当該企画に止まらず、現在の視聴者参加バラエティー一般にも言えることなので、ここに問題点を明らかにすることとした。
=== ここまで ===
最近は一般視聴者参加型の番組が増え、面白い番組も確かに多いが、だからといってタレントと同じように扱っていいわけもなく、そのへんのメリハリはしっかりとつけるのが製作者としての責任じゃろう。
概要を説明すると、
まず番組の趣旨とコンセプトは17分のコーナーの中でAさん(今回被害に遭われた方)と、江原啓之氏のスピリチュアルカウンセリングを孫悟空に扮した香取真吾氏の進行で構成しとる感じ。
Aさんは美容院を経営しとって、そこで働く従業員の人を相談者として香取氏が江原氏を呼び、Aさんのスピリチュアルカウンセリングを行うというもの。
あ、ごめん。やっぱ面倒じゃけぇ、BPOの公式文書を読んでくれ。それが一番誤解も生まんじゃろうし。
まぁ、ええか。
とりあえず、わしが一番気になったとこは
=== 引用開始 ===
Aさんは、江原氏のアドバイスに対して、「ご飯は食べられればそれで良いし、そんな贅沢は要りません」「私がお金持ちになったら、人の心を打つような手紙は書けません」等々と反論したというが、その部分はカットされている。(2007年11月2日付)
○ 最終的にはご本人も、「江原さんが心配してくれたように、絶対にまたりんごを作るためにお店をつぶさないで、これを教訓に真剣に頑張ります」とおっしゃっていた為、事実と違う為の反論という認識は全くもちませんでした
=== ここまで ===
はい、ここ。実際の放送ではAさんが江原氏のカウンセリングに元気付けられハッピー!で終わったようじゃが、ちょっとまて。
情報というものはそれ自体は中立なモノじゃが、発信されると中立ではなくなる。
なぜなら、そこには発信者の思惑、つまりベクトルがかかる。今回の件で言えば、番組の考えるハッピー!な結末があり、すべての情報はそこへ向かうベクトルがかけられておるじゃろう。そして江原氏のカウンセリングをAさんが受け涙を流し、お礼を述べれば番組の思惑通りなんじゃろうが、
Aさんが途中で反論すれば、ベクトルに歪みが発生する(あくまで製作者視点)ので、その発言をカットしたんじゃろうな。これも演出と呼んでええのか?
演出とは、情報にかかっとるベクトルをそのままの向きで、より分かりやすく見せる事を言うんじゃないかと、わしは思うんじゃが、今回のは明らかにベクトルの向きを変えとる(自分達に都合の良いように)。
これは捏造じゃろ?本来とは違う方向に向けたわけじゃけぇな。
さて、わしの考えは書いたけぇ、ここからはAさんについて少し書こう。
Aさんは中越沖地震の被災者の人達に「十郎りんご」という名のりんごを無償で提供しとる。(過去2回)うむ、素晴らしい人じゃな。
その「十郎りんご」というのは亡くなられた父親から受け継いだりんご園でとれたりんごの事で、名前の由来は父親の名前だそうじゃ。
そんで、経済的な理由からりんごの提供が難しくなってるそうで、そこを製作者が勝手に「りんごの無償提供により美容院が経営難である」となんの根拠もない設定をし、番組ないで再三に渡ってそれを強調した。
しかし、経済的な理由からりんごの提供が難しくなっているのは事実じゃが、美容院の従業員の給料もちゃんと払っており(これは従業員が証言しとる)、Aさんは生活に困っているわけでもない。
つまり、Aさんは被災者に無償で「十郎りんご」を提供した、その功績に目をつけられ製作者によって「無償でりんごを提供した結果、美容院を経営難にし、困り果てている」という非常に不快な人物像を作りあげられたということじゃな。
TV局の奴らは良識がほんまにないのう。一般視聴者を自分らの道具としか思っとらんのじゃないか?普段は視聴率を弾き出す道具で、番組に巻き込んだら、自分らの都合よく動く人形くらいに思っとるんじゃないか?
少し乱暴な物言いをしたが、一般視聴者を大切に扱っとる番組もあるなかで、こういう問題を起こす馬鹿があると、TV業界そのものに悪いイメージがつくし、TVというメディアの影響力は良いにせよ悪いにせよ絶大なものがある以上、今回のAさんのような扱いをされた人は、その後世間からは番組で作り上げられた人物像で見られるじゃろう。
そのへんまでよう考えて製作にあたって欲しいものじゃな。
わしもTVは好きじゃけぇ、これを機にフジテレビがより良い番組作りをしてくれることを願う。
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